普段外を歩いている時に見かけたり、家族や友人との会話で話題に上がったりする、”なんだかよくわからない” 場所。そこには、よくわからないが故に私たちを惹きつける不思議な魅力があります。今回はそんな県内の「おもしろスポット」に編集部メンバーが突撃し、噂の真相を確かめてきました!
~ 目次 ~
・【淡路市】7000匹以上の猫に会える!?「淡路市立中浜稔猫美術館」
・【神戸市兵庫区】ふっくら美男子な大仏さん「兵庫大仏」
・【朝来市】推しは超スーパー地下アイドル「GINZAN BOYZ」
・【姫路市】ちょっとそこまで~世界旅行へ「太陽公園」
7000匹以上の猫に会える!?
淡路市にある「中浜稔猫美術館」
淡路島の淡路ICを降りて国道28号線を南に向かってしばらく走ると、この看板が目に入ります。
「え、何これ?」と思う人も多いはず。
これは淡路市浦の道の駅「東浦ターミナルパーク」にある『淡路市立中浜稔猫美術館』の看板。世界にただひとつの、「猫」がモチーフの作品だけを集めた美術館です。
堂々としたモダンなつくりの同美術館。その横には、不思議な形をしたモニュメントが空高くそびえます。
赤い鳥居の「こまチヨ神社」や階段についた猫の足跡など、入る前から既に楽しい雰囲気♪
同美術館は、淡路市出身の墨絵画家・中浜稔氏に作品の寄贈を受けて、同市が2000年3月にオープン。
墨絵をはじめ貼り絵や陶芸作品など、約120点に及ぶ中浜先生の作品が2階建ての館内に収められています。作品中に描かれた猫の総数は、なんと7000匹以上とか!
一歩足を踏み込むと、とにかくそこは猫、ネコ、ねこの大洪水!
1階に展示される長さ約20メートルの大作「町内の群像」には、ご近所の顔見知りの猫たちがギッシリ描かれています。
2階には中浜画伯の作・画による「淡路島 猫浜物語」が展示されています。こちらも30メートルに及ぶ超大作!
天平の時代に淡路島に流された飼い主を慕い、スナメリの背に乗って明石海峡を渡る猫を描いた作品は、ネコ好きな人なら感涙必至!
ここで答合わせ。外のモニュメントは、本作の主人公・こまがスナメリの背に乗る姿を表したものです。この物語を読んだ後に青空に浮かぶ姿を見上げると、心に響くものがあります。
取材に訪れた日は館内で中浜稔先生の開く墨絵教室があり、ご本人に直接お会いできました。
「究極まで追求するモチーフとして“猫”を選んだ」と話す先生。「でも嫌いなら題材には選ばないよな」とニッコリされる笑顔がとてもステキです。
「若い人には墨絵を見る機会は少ないと思うが、墨絵はアナログの最たるもの。写実的な表現の中に、画家の様々な想いが宿る。描かれた“猫”の表現するものから、墨絵の良さを知ってもらえたら」と中浜先生は話します。
記者がとても好きなのは、中浜先生の作品の余白に書かれた「賛」の数々。「賛」とは墨絵とともに書かれた文、詩、歌などのことですが、先生の賛は笑えるものから猫の情景と相まって心打たれるものまで、読んでいて飽きることがありません。
随所に光るユーモアや、抑えてもなおにじみ出る「猫」への深い愛情。作品をじっくり見て回るうちに、胸の中がじんわりと温まっていくのを感じました。
不思議な看板が誘うのは、猫に満ち満ちた異空間のような『ホッコリワールド』。日常にぽっかり空いた時間に、訪れてみてはいかがですか。
場所 | 淡路市立中浜稔猫美術館(淡路市浦668-2) |
開館時間 | 10:00~18:00 (入館は17:30まで) |
入館料 | 大人 620円、生徒 310円、児童 210円 |
休館日 | 毎週月曜日 ※ただし月曜日が祝祭日の場合は翌日が休館日 |